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タケとあられのブログ

リタイアした夫婦が、郷里の片田舎で両親の世話をしながら、農業や自治会の仕事に追われ、ゆとりがあるはずだった生活に揉まれながら諦めずに趣味に拘り、二人三脚で生き方を模索する、、、そういう記録を発信します。
「雪虫」を読む
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     「雪虫」刑事・鳴沢了  堂場瞬一  中公文庫

     

     随分以前に「雪虫」を読んだ。当時、この小説は刑事ものの境地を開いたように思う。新しいスタイルの刑事もの、警察ものとして面白い小説だっと思った。単なる謎解きや犯人捜しだけでなく、親族との確執、刑事という職業を巡る本人の受け止めと恋人との溝など、人生をえぐるかのような要素を盛り込んでいた。最後の最後まで、それらが疑問のまま残る。

     著者の表現力は評価したい。情景や心理面の描写が上手い。

     

     実はすでに一度読んだ本を再読したのは、シリーズ2巻目を読むのにあたって1作目を読んだ記憶が全く残っていなかったからだ。読むうちに記憶が戻る。鹿hし、細部はやはり忘れていた。タケ

     

    | 読書 | 15:31 | comments(0) | - | - |
    「岡っ引き源捕り物控(5)」を読む
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       「岡っ引き源捕り物控(5)」 庄司圭太 光文社文庫

       

       シリーズの5作目だ。3編の短編が収録されている。

      〇鷽(うそ)

      〇死霊

      〇大黒

       

       毎回思うが、なかなか面白い。謎の仕掛けが巧妙で、最後まで楽しませる。物語の展開は息継ぐ間もないほど早い。純粋に謎解きが楽しめる。時代小説はその時代の考証を積んで書かれる。そこが時代小説の面白さでもある。

       手下の助三との絶妙なコンビが冴えを見せて、次々と謎を解く。行き詰った時に相談を持ち込む相手の神子など、安心して読める構成だ。一羽ごとに完結しており、シリーズのどこから読んでも支障がない。タケ

      | 読書 | 09:03 | comments(0) | - | - |
      「作戦参謀辻政信」ある辣腕参謀の罪と罰 を読む
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         「作戦参謀 辻政信」ーある辣腕参謀の罪と罰  生出寿著  光人社

         

         ブックオフで見つけた戦史ものだ。表題にある辻政信という人物を中心に日中戦争、インドシナ進攻、そして太平洋戦争を見つめ直した本である。読後感というより、読んでいる間から、(これは酷い)と思わざるを得なかった。明治の時代の戦い方に比べても準備は不十分、戦略は夜襲による白兵戦がもっぱらだ。兵站は間に合わず、作戦は相手や兵を進める進路の情報を持たないまま、兵力の不利を精神論で乗り切ることが出来ると考えた。

         

         その背景に、戦争推進派、特に陸軍参謀が独断で事を進めたことがある。その中心が辻政信だった。こうした背景や敗因の真実を知らされて、この頃のわが国の異常さを改めて痛感した。こういう歴史の汚点を国民が理解する必要があると思うのだが、いまだに国の中枢はそれを良しとしない。細かいことを書くより、本の中の記述をそのまま紹介した方が分かりやすいと考える。以下はその抜粋だ。

         

         「命賭けでよく戦った者が自決を強要されたり、敗北の責任を問われて重い処罰をうけ、最大の敗因である作戦計画作成・指導の当事者らは、責任を部下たちに転嫁し、自分らは軽い処罰で済むようにしているようである。

         いつの時代も、こういう仕組みになっている組織があるが、皇軍と称するこの組織でもそうであった、ということである。」

         

         「陸軍病院に入れられた元捕虜たちのところへ、司令部から、将校を長とする特設軍法会議団が乗り込んでゆき、非公開で裁判を始めた。被告は主に将校である。終了後、裁判官は将校被告らに拳銃を与えてひき上げた。まもなく、拳銃の発射音が響いた。全員が自殺したのであった。

         不可抗力で捕虜になったものを資材にするのにたいして、1万8千ないし2万8千もの死傷者や捕虜を出す戦闘をさせた高級指揮官や参謀で、責任を取って自殺する者は、ただの一人もいなかった。それどころか、少しも恥じることなく、自分らが惨憺たる目に合わせた部下たちに、死まで強要したのである。

         陸軍刑法でも、力尽きて捕虜になった者や、不可抗力で捕虜になった者を罰する項目はない。軍にあったのは、捕虜は恥ずべきもの、死んでもなってはならないものという不文律であった。それを認めれば、死ぬまで戦うという意思が無くなり、弱い軍隊になってしまう、と上層部が考えたからである。

         しかし、敗北に重大な責任がある者を相応に処罰せず、第一線の将兵に過酷極まる厳罰をもって臨むやり方では、真に精強な軍隊は出来上がる訳がない。」

         

        「実戦部隊長が言うべきことを言わず、作戦指導部の言いなりになって戦い、悲惨な結果を招く例が、太平洋戦争での日本陸海軍にかなりあった。」

         

        「マレー作戦では、敵情、地理、補給などについて詳細な知識を得て、それらに対する万全と言えるほどの対策を練っていたが、ニューギビア作戦では、敵情もろくに知らないうえに、地理や補給についての知識はほとんどなく、それらに対する自信ある対策などはまったく立たないのである。作戦はないに等しく、斃れてのち止むの精神主義で戦えというだけしかない。」

         

        「米軍の戦法は理詰め(合理的)で、戦術(かくひき)は不要である。力の正確な集中を考える科学的戦術である。無理を有理とする(敵のうらをかく)ことを戦術の妙諦と心得たのは、貧乏人のやりくり算段だった。」

         これは辻自身が後に自書の中で述べている言葉だが、こうした戦術をさんざんやって失敗した挙句に甚大な損失を生じたことへの反省はない。呆れたはなしだ。戦争に突入する前に十分な分析を行えば、こういう戦術も生まれることはなく、負けることが分かっていれば、そもそも戦争に踏み切らなかっただろう。

         

         ギャンブルで依存症になると、取り戻すチャンスが無い場面でもどんどんのめり込んでいくのは、もし思うような展開が訪れたらという仮定の下に行動するからで、損をすればするほど見込みのない仮定の上に立ってします。戦争という行為が何をもたらすかという大局観を見失って、戦局の打開に明け暮れする姿は依存症に似ている。その結果決断が遅れ、そのために甚大な犠牲を伴ったという現実に目を向けるべきだろう。それが先の戦争だった。

        | 読書 | 07:54 | comments(0) | - | - |
        「蒼き海狼」を読む
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          「蒼き海狼」 火坂雅志  小学館文庫

           

           壮大な海洋小説である。東南アジアを駆け巡る主人公のスーパーマンぶりが作品を面白くさせる。船舶での移動は日数がかかる。だが、航続距離が果てしなく伸びる。

           

           時代は鎌倉時代の中期、2度の元寇の後である。フビライは金銀を産する我が国を諦めきれず、3度目の攻撃を企図する。だが、それは最終的には行われなかった。それは何故か。この小説が提起した最大の疑問だった。

           当時、我が国の他に元寇に晒された国がある。大越国という。今のベトナムである。陸伝いに、或いは陸と海の両面から、数度にわたって攻勢を掛ける。数倍にも及ぶ大軍勢での攻勢にも耐えて大越国は独立を維持する。我が国と似た運命の大越国での戦いの結果、戦いの準備を進めていたフビライは、周囲の諫めを受け入れわが国への攻撃を断念したというのが物語の結末になる。

           

           小説に関しては、当時の各国の歴史や事跡・文献を事細かく調査していることが分かる。初めて知るそれらの事跡が、結構興味深く、また、物語の展開が全体として事実に即したものだと分かる。

           

           鎌倉幕府から追われた朝比奈氏の末裔が主人公だ。幕府から追われて済州島に音を降ろすが、その後元寇で一族が蹂躙されて天涯孤独になる。自分の祖国を持たない主人公が、フビライを頂点とする元国に立ち向かう。その過程で大越国の戦いに飛び込んでいく。

           

           大越国が巨大な元勢力を撥ね返す戦いの在り方が興味深い。大軍を前に正面から戦いを挑むのではなく、戦況を見ながら撤退を繰り返し、ゲリラ戦法に切り替える。大軍の弱点は食料の確保であり、耐え忍んで持ちこたえればやがて強大な元と言えども撤退を余儀なくされる。こういう戦いを3度繰り返した結果、侵攻を断念させた。自尊心の強さと粘り強さが民族の特徴と言える。

           ずっと後の歴史の中で似たような戦いをする。ゲリラ戦で粘って、最終的には超大国の侵攻を食い止める。力のあるものは自分の力を過信する。力の差が大きい時ほどそういう傾向が強い、だが、過去にこの小説が描く歴史があったことに思いを馳せれば、結果論かも知れないが、ベトナム国は同じように勝利したのである。

           

           運命は、此処で大きく転回したことになる。元の内部では先に何処を攻撃するかで意見が分かれた。フビライは、先に我が国を攻めようとした。結局は多民族で構成された幹部の意見を聞いて大越国を先に攻めた。大越国の戦いのお陰で、三度目の元寇が果たされなかったのである。タケ

          | 読書 | 07:25 | comments(0) | - | - |
          岡っ引き源捕り物控(4)鬼火を読む
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             「岡っ引き源捕り物控(4)」−鬼火  庄司圭太著 光文社文庫

             

             シリーズ4作目だ。短編3作を収めている。相変わらず面白い。指紋による捜査が無い時代の犯人捜しで、随分手間をかける。地道に関係者や、近辺の目撃証言を積み重ねて辿り着く手法が面白い。これは、世界の推理小説でも伝統的な手法だ。読者も、先々の展開が読めない。順を追って明らかになる事実に従って推理、謎解きをする。だから切れ目なく物語に入っていける。海外の推理小説でも古典的とされる手法で展開させている。

             TVドラマや多くの推理小説では、偶然あることで得たヒントを元に解決の糸口をつかむという展開が認められるが、どうしても不自然さが残る。そういう意味では、なかなか良くできた作品だ。作品の中身については省略する。タケ

            | 読書 | 07:54 | comments(0) | - | - |