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タケとあられのブログ

リタイアした夫婦が、郷里の片田舎で両親の世話をしながら、農業や自治会の仕事に追われ、ゆとりがあるはずだった生活に揉まれながら諦めずに趣味に拘り、二人三脚で生き方を模索する、、、そういう記録を発信します。
「蒼き海狼」を読む
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    「蒼き海狼」 火坂雅志  小学館文庫

     

     壮大な海洋小説である。東南アジアを駆け巡る主人公のスーパーマンぶりが作品を面白くさせる。船舶での移動は日数がかかる。だが、航続距離が果てしなく伸びる。

     

     時代は鎌倉時代の中期、2度の元寇の後である。フビライは金銀を産する我が国を諦めきれず、3度目の攻撃を企図する。だが、それは最終的には行われなかった。それは何故か。この小説が提起した最大の疑問だった。

     当時、我が国の他に元寇に晒された国がある。大越国という。今のベトナムである。陸伝いに、或いは陸と海の両面から、数度にわたって攻勢を掛ける。数倍にも及ぶ大軍勢での攻勢にも耐えて大越国は独立を維持する。我が国と似た運命の大越国での戦いの結果、戦いの準備を進めていたフビライは、周囲の諫めを受け入れわが国への攻撃を断念したというのが物語の結末になる。

     

     小説に関しては、当時の各国の歴史や事跡・文献を事細かく調査していることが分かる。初めて知るそれらの事跡が、結構興味深く、また、物語の展開が全体として事実に即したものだと分かる。

     

     鎌倉幕府から追われた朝比奈氏の末裔が主人公だ。幕府から追われて済州島に音を降ろすが、その後元寇で一族が蹂躙されて天涯孤独になる。自分の祖国を持たない主人公が、フビライを頂点とする元国に立ち向かう。その過程で大越国の戦いに飛び込んでいく。

     

     大越国が巨大な元勢力を撥ね返す戦いの在り方が興味深い。大軍を前に正面から戦いを挑むのではなく、戦況を見ながら撤退を繰り返し、ゲリラ戦法に切り替える。大軍の弱点は食料の確保であり、耐え忍んで持ちこたえればやがて強大な元と言えども撤退を余儀なくされる。こういう戦いを3度繰り返した結果、侵攻を断念させた。自尊心の強さと粘り強さが民族の特徴と言える。

     ずっと後の歴史の中で似たような戦いをする。ゲリラ戦で粘って、最終的には超大国の侵攻を食い止める。力のあるものは自分の力を過信する。力の差が大きい時ほどそういう傾向が強い、だが、過去にこの小説が描く歴史があったことに思いを馳せれば、結果論かも知れないが、ベトナム国は同じように勝利したのである。

     

     運命は、此処で大きく転回したことになる。元の内部では先に何処を攻撃するかで意見が分かれた。フビライは、先に我が国を攻めようとした。結局は多民族で構成された幹部の意見を聞いて大越国を先に攻めた。大越国の戦いのお陰で、三度目の元寇が果たされなかったのである。タケ

    | 読書 | 07:25 | comments(0) | - | - |
    岡っ引き源捕り物控(4)鬼火を読む
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       「岡っ引き源捕り物控(4)」−鬼火  庄司圭太著 光文社文庫

       

       シリーズ4作目だ。短編3作を収めている。相変わらず面白い。指紋による捜査が無い時代の犯人捜しで、随分手間をかける。地道に関係者や、近辺の目撃証言を積み重ねて辿り着く手法が面白い。これは、世界の推理小説でも伝統的な手法だ。読者も、先々の展開が読めない。順を追って明らかになる事実に従って推理、謎解きをする。だから切れ目なく物語に入っていける。海外の推理小説でも古典的とされる手法で展開させている。

       TVドラマや多くの推理小説では、偶然あることで得たヒントを元に解決の糸口をつかむという展開が認められるが、どうしても不自然さが残る。そういう意味では、なかなか良くできた作品だ。作品の中身については省略する。タケ

      | 読書 | 07:54 | comments(0) | - | - |
      岡っ引き源捕物控(三)を読む
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        「岡っ引き源捕物控(三)」  庄司圭太 光文社文庫

         

         「迷子石」と「爪紅」の2編からなる。多忙を極めて、読書をする時間が無かった。読みかけて、暫く止まっていたものをこのほどようやく読了した。

         

         三作目で、同じような展開かと思いきや、かなり手の込んだストーリー展開だった。内容は省くが、スリで捕えた男を子分にする。これがなかなかいい働きをする。

         地道に聞き込みをして、事実を積み重ねていく。この手法は全く変わらない。手の込んだ謎解きをシリーズで読ませるあたりは、腕が良いと言える。お勧めだ。タケ

        | 読書 | 20:13 | comments(0) | - | - |
        「岡っ引き源捕物控」(2)を読む
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           「岡っ引き源捕物控」(2)  庄司圭太  光文社文庫

           

           シリーズ物の2作目だ。文章が上手いと思う。謎解きの展開も面白い。1作目では、妹の死を調べる展開だったが、2作目から、認められた岡っ引きになる。岡っ引きは、世襲のようなものでもある。親がお上から十手を預かり、その子が後を継ぐというパターンが往々にしてある。主人公源次の父が岡っ引きだった。父の遺品の中に十手を発見して、事件を解決したことから与力から認められる。

           

           二作目ではまた、手下が出来る。捕まえたスリに気に入られて子分にすることになる。ここまでがシリーズの準備段階と言える。

           

           地道に聞き込みで情報を積み重ねていく手法は、推理小説の世界では伝統的なものだ。手抜きをせずに謎解きのきっかけをつかむ。その過程は退屈だが、説得力がある。私はこういう手法は好ましく思う。タケ

          | 読書 | 21:30 | comments(0) | - | - |
          白孤の呪いー岡っ引き源捕物控を読む
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             「白狐の呪い」−岡っ引き源捕物控  庄司圭太著 光文社現代小説文庫

             

             シリーズの1作目だ。先に、たまたま9作目を読んで、作品に惹かれた。その後残りを手に入れて読み始めたものだ。1作目も、先に読んだ9作目も同じように面白い。登場人物が個性的だ。ストーリーが同じような展開を示す。最初に謎めいた事件が起きる。手がかりが少ない中で、一つ一つ丁寧に足で調べ上げて言う、その過程の先にヒントが現れ、解決に至るという、いわばスタンダードな展開だ。問題は、事件の全容が、途中まで殆ど分からない。そのため、どんどん引き込まれていく。組み立てが上手いのだろう。

             時間は余り掛からなかった。続けて読むのが良いかどうか迷う。タケ

            | 読書 | 15:26 | comments(0) | - | - |